
プロセスエコノミーと手芸ワークショップ——作る過程こそが価値になる時代
数年前に話題となった「プロセスエコノミー」という言葉をご存知でしょうか。
これは、完成した「モノ」だけでなく、それが作られるまでの「プロセス」そのものに価値が生まれ、消費されるという考え方です。
一見、難しそうに聞こえるかもしれませんが、実は、私たちの手芸・ハンドメイドの世界は、まさにこのプロセスエコノミーそのもの。
今回は、手芸・ハンドメイドのワークショップを例に、プロセスエコノミーの魅力と人気の理由についてお話しします。
プロセスエコノミーの魅力
完成品だけを見せるのではなく、制作途中を見せることで人は「共感」や「物語性」を感じます。
- 共感性:作り手の苦労や工夫を知ると、完成品に一層の愛着が湧く。
- 物語性:過程を追体験することで、その作品が「唯一無二」に感じられる。
- 参加感:応援している側も、自分がその作品の一部に関わったような気持ちになれる。
SNSで制作過程の配信やビハインド・ザ・シーン(舞台裏)動画が人気を集めたのも、この心理が背景にあります。
手芸・ハンドメイドとプロセスエコノミー
手芸・ハンドメイドのワークショップは、まさにプロセスエコノミーの形態です。
- 作る過程を体験したい
- 同じ趣味を持つ人と繋がりたい
- 新しいことに挑戦したい
これらすべてが価値となり、参加者は作品に対して深い愛着を持ちます。完成した作品は単なる物ではなく、体験の記憶ごと持ち帰ることができる宝物に。
なぜ人を惹きつけるのか
プロセスエコノミーが時代に合致した理由は、人々の消費の価値観が「モノ」から「コト」へシフトしているからと言われています。ただ商品を買うのではなく、その裏にあるストーリーや制作の背景に触れたい。
そして、その「過程」にこそ心を動かされたい。
手芸・ハンドメイドは、この流れに完全にフィットしています。ワークショップという形で「作る過程を共有する」ことは、プロセスエコノミーの本質を体現しています。
プロセスエコノミーは一過性の流行ではない
これからの時代の消費スタイルを象徴する考え方です。
手芸・ハンドメイドのワークショップは、まさにその実践の場。完成品以上に価値がある「過程」を提供することで、人々の心に残る体験を生み出します。
手芸は作品を作るだけでなく、プロセスそのものを楽しむ文化。
関わる全員で、その魅力を発信し続けることは、これからの手芸・ハンドメイドの未来を切り拓いていくと信じています。
